女風のX凍結問題|好きピのアカウントが急に消えた

女風のX凍結問題|好きピのアカウントが急に消えた

寝る前にいつも見ていたセラピストさんのXアカウントが、突然消えていた。

凍結なのか垢消しなのかもわからない。

DMの履歴も、やりとりの記録も、全部なくなった。SNSだけが連絡手段だった私に残されたのは、「このアカウントは存在しません」の一文だけ。

連絡導線をひとつしか持たない怖さを、あの夜初めて知った。

目次

いつものアカウントが、ない

いつものアカウントが、ない

夜、寝る前にXを開くのが日課になっていた。

あのセラピストさんのアカウントを見に行く。今日は何を投稿してるかな、と。

施術の感想をぼかして書いてたり、休日に食べたパスタの写真をあげてたり、たまに意味深なポエムみたいなことをつぶやいてたり。

あの投稿が自分に向けて書かれてるんじゃないかと深読みしていた頃から、もうずっとそう。毎晩のルーティンみたいになっていた。

その日も布団に入ってからスマホを開いた。Xのアイコンをタップして、いつもの検索欄にアカウント名を打ち込む。

表示されなかった。

え。

もう一回打ち直した。スペルミスかと思って、慎重に一文字ずつ。

「このアカウントは存在しません」

心臓がどくんと跳ねた。

何かの間違いだと思って、ブラウザからも検索した。

同じ結果。プロフィールページに飛ぼうとしたら、空白のページが表示されるだけ。

垢消し?

いや、凍結?

そもそもその二つの違いもよくわからない。わかるのは、昨日まであったアカウントが今日はもうない、という事実だけ。

布団の中で、指先が冷たくなっていくのがわかった。

「好きピ」って言葉を使ってる自分にもまだ慣れてない

女風のSNSを見ていると、「好きピ」という言葉をよく見かける。

好きなセラピストさんのこと。最初に見たときは「なにそれ」と思った。

推し、とも違う。担当、とも少し違う。

恋愛感情なのか信頼なのか依存なのか、その境界が曖昧なまま使われている言葉。

私はまだ数回しか利用していないし、「好きピ」と呼べるほどの関係性かどうかもわからない。

でも、そのセラピストさんの投稿を毎晩チェックしていた時点で、たぶんそうなんだと思う。

認めたくないけど。

そのアカウントが消えた。

連絡先を、XのDMしか知らなかった。

SNS一本に頼ってた自分の甘さ

SNS一本に頼ってた自分の甘さ

お店の公式サイトに、セラピスト一覧ページがあったはず。

そう思い出して、慌ててブラウザで検索した。

名前はあった。プロフィール写真も、施術メニューも載っている。

でも、連絡手段のところに書いてあるのは「X(旧Twitter)のDMからお問い合わせください」だけ。

そのXが凍結されてるんだってば。

お店の公式アカウントにDMを送ればいいのかもしれない。

でも、個人指名のセラピストさんに連絡を取りたいのに、お店経由で連絡ってどうすればいいんだろう。

「凍結されたので連絡取れません」って送るの? なんか変じゃない?

DM問題で散々悩んだのに、今度はDMを送る先そのものがなくなってしまった。

予約のやりとりも、施術前の相談も、全部XのDMでやっていた。

あのやりとりの履歴も、全部消えたのかもしれない。

「緊張してます」って送ったら「大丈夫ですよ、ゆっくりいきましょう」って返してくれたあのメッセージ。

施術後に「今日はありがとうございました」って送ったら、丁寧に返事をくれたやりとり。

スクショ、撮ってなかった。

LINEも電話番号も知らないのが普通なの?

冷静に考えたら、おかしい話だ。

何度か会って、身体に触れてもらって、心を開いた相手なのに。

連絡先がSNSのDMだけ。LINEも知らない。電話番号も知らない。

でも女風の世界では、それが普通らしい。

SNSで見ていると、セラピストさんがLINEや個人の連絡先を教えることはほとんどないみたい。

お店のルールで禁止されていることもあるし、プライバシーの観点から避けているセラピストさんも多い。

それは理解できる。

仕事とプライベートの線引きをするのは当然のことだし、ユーザーとの距離感を保つのはお互いのためだと思う。

でも、その距離感を保つための唯一の窓口が凍結で消えたとき、ユーザー側には何も残らない。

お風呂に入りながら、ぼんやり考えた。美容院の担当さんなら電話一本で繋がる。かかりつけの歯医者さんだって予約番号がある。

女風だけ、連絡導線がこんなに脆い。

凍結問題はなぜ毎回ユーザーを揺らすのか

凍結問題はなぜ毎回ユーザーを揺らすのか

翌朝、出勤前にまたXを開いた。凍結の情報がないか探すために。

「女風 凍結」「女風 アカウント凍結」で検索したら、思った以上にたくさんの投稿が出てきた。

女性用風俗のアカウントが凍結されること自体、珍しいことじゃないらしい。

あるセラピストさんが書いていた。「また凍結された。今年3回目。新しいアカウント作ったのでフォローお願いします」

3回目。そんなに頻繁に起きるものなの。

別の投稿では、「凍結ラッシュが来てる。女風セラピストのアカウントが一斉に消えてる」というのもあった。

Xのアルゴリズムか規約変更か、何かのきっかけで一気に凍結が起きることがあるらしい。

理由は明確にはわからないけど、性的なコンテンツに関連するアカウントが対象になりやすいんだと思う。

女風のセラピストさんの投稿には、施術に関する内容が含まれることがある。それがXの規約に引っかかるのかもしれない。

でも、本人が何もしていなくても凍結されることがあるという投稿も見かけた。

通勤電車の中で、つり革を握りながらスマホをスクロールしている。隣の人に画面を見られたくなくて、少し身体をひねった。

「お迎え問題」って何

凍結関連の投稿を追っていたら、聞きなれない言葉が目に入った。

「お迎え問題」

なにそれ。

どうやら、セラピストさんが凍結後に新しいアカウントを作ったとき、新しいアカウントで誰を先にフォローしてくれるかどうか、という話らしい。

「新垢でのフォローの順場 = 太客やキレカワ」みたいなニュアンスがあるらしい。

あるセラピストさんの投稿。「新垢作りました。前のアカウントでフォローしてくださってた方、見つけたらフォローお願いします」

これに対するユーザー側の反応が、いくつかのパターンに分かれていた。

  • すぐにフォローする人
    • 「見つけた瞬間フォローしました!復活おめでとうございます」
  • 少し待つ人
    • 「本物かどうか確認してからフォローしたい。なりすましアカウントもあるらしいから」
  • フォローしない人
    • 「新しいアカウントを探すのが面倒。公式サイトから告知してほしい」

セラピスト側も複雑みたいだった。ある投稿で見かけたのは、「新垢を作ったら、早めにフォローしてくれたお客様のことはやっぱり嬉しい。でもフォローしてくれない方を責める気持ちは全くない」というもの。

別のセラピストさんは、「凍結後に新垢を作ると、フォロワーがゼロからのスタートになる。信頼の積み重ねが全部リセットされる感覚がつらい」と書いていた。

なるほど、と思った。

凍結って、ユーザー側だけの問題じゃない。セラピストさんにとっても、それまで築いてきたフォロワーとの関係が一瞬で消える恐怖なんだ。

ふと、全然関係ないことを思い出した。大学のとき、ゼミのLINEグループが消えたことがあった。管理者の先輩が卒業してアカウントを消したせいで、写真もやりとりも全部飛んだ。

みんな怒ってたけど、結局新しいグループを作って、なんとなくまた元に戻った。

でも女風のSNSは、「なんとなく元に戻る」が難しい。匿名だから。鍵垢だから。ユーザー名が変わったら見つけられないかもしれないから。

凍結のたびに「この人辞めたのかな」と思ってしまう

凍結と垢消しの区別がつかないのが、一番きつい。

アカウントが消えたとき、それが凍結なのか、自分の意思でアカウントを消したのか、セラピスト自体を辞めたのか、外からはわからない。

SNSで「○○さんのアカウント消えてない?」と聞いている投稿をいくつか見かけた。

返ってくる答えも、「凍結っぽい」「垢消ししたのかも」「引退したって聞いた」とバラバラで、正確な情報はどこにもない。

まだ利用して間もない私ですら、こんなに動揺している。

何度も通っているユーザーさんにとっては、もっと怖いことだろうと思う。

お店の公式サイトにセラピストさんの名前がまだ載っているから、辞めたわけではないはず。たぶん凍結だ。たぶん。

「たぶん」しか言えないのが不安の正体だと思う。

連絡導線は保険をかけておくべきだった

連絡導線は保険をかけておくべきだった

会社の昼休み、トイレの個室でスマホを開いた。

お店の公式サイトの問い合わせフォームから、メッセージを送ってみた。

「○○さんの予約を検討しているのですが、XのDMが利用できないようなので、こちらからご連絡させていただきました」

こう書くのに15分くらいかかった。凍結のことに直接触れていいのかわからなかったから。「Xが利用できないようなので」というぼかした表現にした。

夕方に返事が来た。

「お問い合わせありがとうございます。○○は現在、新しいXアカウントで活動を再開しております。新しいアカウントは以下になります」

新しいアカウントのURLが書いてあった。

よかった。辞めてなかった。

新しいアカウントをフォローした。フォロワー数は二桁だった。前のアカウントでは四桁あったのに。

ゼロから積み直すって、こういうことか。

最初の投稿は「アカウントが凍結されてしまいました。新しいアカウントです。引き続きよろしくお願いします」という業務連絡みたいな文章だった。

DMを送ろうかどうか、また迷っている。

「新しいアカウント見つけました」って送ったら嬉しいかな。でも前のDM履歴が全部消えてるから、初対面みたいな空気になるのが怖い。

SNS以外の連絡先を知っておくということ

今回のことで学んだのは、X一本に頼るのは危険だということ。

SNSで見ていたら、凍結対策として複数の連絡手段を持っているセラピストさんもいるらしい。

公式サイトの予約フォーム、お店のLINE公式アカウント、Bluesky、Instagram。人によってはメールアドレスを公開している方もいる。

ポータルサイト経由で予約できる場合もあるらしい。

「連絡手段は複数確保しておいた方がいい」という投稿に、いいねがたくさんついていた。ユーザーもセラピストも、両方から。

そうだよなと思う。

でも、利用し始めた頃の私にそれを言っても、たぶんピンとこなかった。予約が取れてDMでやりとりできてる時点で、それ以上のことを考える余裕がなかったから。

連絡導線のバックアップなんて、失って初めて気づくことだった。

SNS一本に頼ること自体が、この業界の暗黙の前提になっているのかもしれない。お店のサイトがあっても、日常のコミュニケーションはXが中心。投稿もDMもXで完結する。

その前提が、凍結一発で崩れる。

夜、布団に入ってから、新しいアカウントの投稿を見に行った。

前のアカウントと同じ雰囲気の投稿が並び始めている。フォロワーも少しずつ増えているみたいだ。

DMはまだ送れていない。

「おかえりなさい」って送りたいけど、それは距離が近すぎる気がする。

「新しいアカウントのフォローしました」だけでいいのかな。

また文面で悩んでいる。

でも、今度はあの人のアカウントが存在していること自体に安心している自分がいる。

昨日の夜の、あの胸がすっと冷たくなった感覚を思い出す。

あんな思いはもうしたくない。

次に予約するときは、お店の予約フォームも控えておこう。公式サイトの連絡先も、スクショを撮っておこう。

XのDMだけが繋がりの糸だなんて、細すぎる。

ひとつしかない糸が切れたとき、何も残らないのは、怖い。

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