もし友達に「女風使ってる」ってバレたら。…もうあんまり怖くない

もし友達に「女風使ってる」ってバレたら。…もうあんまり怖くない

仕事帰りの電車でスマホに映った女性用風俗の文字を、隠さなかった。

あれだけ怖かった「バレること」。

プライベートモードでしか開けなかった画面。

3回通った今、恐怖の正体が少しだけ変わっている

。恥ずかしい。でも、間違ってはいないと思えるようになった話。

目次

会社帰り、電車の中でふと考えたこと

今日、仕事帰りの電車でスマホをいじっていた。

Xのタイムラインに、女性用風俗に関するポストが流れてきた。匿名アカウントの体験談みたいなやつ。

いいねが300くらいついていて、引用リポストには賛否いろんな声がぶら下がっている。

前の私なら、咄嗟にスマホの画面を隣の人から隠していたと思う。

でも今日は、そのまま読んだ。

別に堂々と読んだわけじゃない。イヤホンをして、ちょっと体を内側に向けた。いつもの通勤の姿勢。それだけ。

「隠さなきゃ」が、「まあいいか」になっている。自分でも気づいていなかったけど、この変化はたぶん、小さくない。

あれだけ怖かった「バレること」

あの頃は本当に怖かった。

友達にスマホを見られたらどうしよう。検索履歴が残っていたらどうしよう。

「女性用風俗」という文字列が、自分の画面に表示されていること自体が恐怖だった。

プライベートモードでしか開かない。タブは毎回全部閉じる。LINEの検索窓も確認する。

あのときの自分は、完全に何かを隠している人の行動パターンだった。

今もブラウザの扱いは慎重だ。そこは変わっていない。

でも、あのときと今とでは、怖さの種類が違うと思う。

あの頃の恐怖は「私はおかしいことをしている」だった。今の慎重さは「わざわざ説明するのが面倒」に近い。

この違い、伝わるだろうか。

もし今、友達に聞かれたら

たまに想像する。

仲のいい友達と飲んでいて、なんかの流れで女性用風俗の話題になったとする。

テレビで特集をやっていたとか、誰かのSNSで見たとか。

「え、そういうの使う人っているんだね」

友達がそう言ったとき、私はどうするだろう。

前なら、曖昧に笑って話題を変えていた。目を合わせないようにしながら。

心臓がばくばくして、顔が熱くなって、グラスの水滴に意識を集中して。

今は、たぶん、もう少し落ち着いていられる。

「使ってる」と自分から言うことはないと思う。わざわざ宣言するようなことでもない。

歯医者に通っていることをいちいち報告しないのと同じで。

でも、もし直接「使ったことある?」と聞かれたら。

否定はしないかもしれない。

黙るか、「なんで?」って聞き返すか、そのときになってみないとわからないけど。

少なくとも、あの全身がこわばるような恐怖は、薄まっている気がする。

偏見が消えたわけじゃない

誤解のないように書いておくと、世間の目が怖くなくなったわけじゃない。

テレビで女性用風俗が取り上げられるとき、だいたいバラエティのネタ扱いだ。

面白おかしく紹介されて、出演者が「えー!」ってリアクションする。あの空気は今でも嫌だ。

「そこまでする人もいるんだ」っていう、安全圏からの好奇心。私はその好奇心の対象側にいる。

職場の人には知られたくないし、母親にも言う気はない。

偏見がなくなったんじゃなくて、偏見は偏見のまま、自分の中の受け止め方が少し変わったということだと思う。

3回通って、毎回、帰り道に自分の体が軽くなっているのを感じた。

顔の力が抜けて、呼吸が深くなって。

その実感のほうが、他人の目より重くなってきた。ただそれだけのことだ。

恥ずかしい、と思っていた自分にかける言葉

洗い物をしていたら、ふと思い出した。

スーパーのレジで、手がかじかんで小銭を落としたこと。先週の話だ。

後ろに並んでいた人に「大丈夫ですか」と言われて、「すみません」と謝った。

別にどうでもいいことなのに、あの夜、寝る前にまた思い出してちょっと恥ずかしくなった。

私はたぶん、些細なことで恥ずかしくなりやすい人間なんだと思う。

だから女性用風俗を利用していることに後ろめたさを感じるのも、自然なことなのかもしれない。

恥ずかしいと感じること自体が悪いことではない。

でも、「恥ずかしい」と「間違っている」は別だ。

検索履歴を消しながら泣いていたあの夜の私は、その二つがごちゃまぜになっていた。

恥ずかしいから間違っている。人に言えないから後ろ暗い。そういうロジックに、自分で自分を追い込んでいた。

今は、恥ずかしいけど間違ってはいない、と思えるようになった。

思えるようになった、というかまだ練習中に近い。口に出して言えるほどの確信はない。

ただ、以前みたいに自分を責める声が頭の中をぐるぐる回ることは減った。

布団に入って、天井を見た。

もう怖くない、とは言い切れない。でも、あんまり怖くない。前よりずっと。

それでじゅうぶんだと思う。今は。

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