翌日、なぜか肌の調子がよかった。心と身体ってつながってるんだ

翌日、なぜか肌の調子がよかった。心と身体ってつながってるんだ

朝、顔を洗ったときに気づいた。

頬がやわらかい。いつもの朝と何かが違う。

洗面台の鏡を見て、最初はよく寝たからかなと思った。でも昨日の夜はむしろあまり眠れなかった。布団の中でぼんやりと体験のことを反芻して、何度も寝返りを打って、気づいたら2時を過ぎていた。

それなのに、肌の調子がいい。

目次

鏡の前で首をかしげた朝

化粧水をつけるとき、いつもと手触りが違った。

ごわごわしていない。乾燥でかさつく頬のあたりが、なんだかふっくらしている気がする。ファンデーションのノリもいい。コンシーラーで隠しているクマは相変わらずあるのに、全体の印象がなぜか明るい。

なんだろう、これ。

たった一回の体験で肌が変わるなんて、そんなことあるわけない。理屈では思う。

でも事実として、今朝の鏡に映る自分は、三日前の自分とは少し違って見えた。

スキンケアは何も変えていない

化粧水も乳液も、いつもと同じもの。ドラッグストアで買った千円ちょっとのやつ。新しいサプリを飲んだわけでもないし、エステに行ったわけでもない。

変わったことといえば、昨日あの人に触れてもらったこと。それだけ。

背中をゆっくりさすられたこと。頭を撫でられたこと。

「頑張ってるね」って言葉より、誰かに頭を撫でてほしかった。ずっとそう思っていたくせに、実際に撫でてもらったら泣いてしまった。あのときの手のひらの温度を、まだ覚えている。

昨日の帰り道、エレベーターの鏡で自分の顔が少し変わっているのに気づいた。それが一晩経ってもまだ残っている。残っているどころか、もう少しはっきり感じる。

肌だけじゃない。肩が軽い。

いつも朝起きると首の後ろがガチガチに固まっているのに、今朝はそこまでじゃなかった。デスクワークで凝り固まった肩甲骨のあたりも、少しだけ可動域が広がった気がする。

気のせいかもしれない。でも、気のせいでもいいと思えた。

通勤電車の中で考えたこと

会社に向かう電車に乗って、いつもの席に座る。

窓に映る自分の顔をぼんやり眺めていた。昨日までは、この窓に映る自分を見たくなかった。疲れた顔。くすんだ肌。目の下のクマ。そういう自分を直視するのが嫌で、だいたいスマホの画面を見ていた。

今日は、窓に映る自分を見ていても平気だった。

平気というか、嫌じゃなかった。それだけのことなのに、ちょっと驚いている。

心がほぐれると、身体もほぐれるのかもしれない

女性用風俗の効果、とか大げさなことを言いたいわけじゃない。

たぶん、ただ安心しただけなんだと思う。知らない人の前で泣いて、弱いところを見せて、それでも否定されなかった。「大丈夫ですよ」って言ってもらえた。

それだけのことが、こんなに身体に出るんだと思った。

ストレスが肌に出るのは知ってる。仕事が忙しい時期は必ず顎のあたりに吹き出物ができるし、寝不足が続くと肌がくすむ。

それの逆が起きただけかもしれない。心が少しゆるんだから、身体も少しゆるんだ。それだけのこと。

でも「それだけのこと」が、どれだけ久しぶりだったか。

最後に肌の調子がいいなと思ったのはいつだったか。思い出せない。

去年の夏に友達と温泉に行ったあと、少し肌がきれいになった記憶はある。あのときも、たぶんリラックスしたからだった。

温泉も、女風も、身体があたたまって力が抜けるという意味では同じなのかもしれない。

いや、違うか。温泉はお湯の力。昨日のは、人の手の力。

お昼休み、同僚に言われたこと

会社について、午前中の業務をこなして、お昼休み。

いつも一緒にお弁当を食べる同僚の子に「今日なんか肌きれいじゃない?」と言われた。

一瞬、心臓が跳ねた。

「え、そう?」

「うん、なんかツヤツヤしてる。新しいスキンケア始めた?」

「いや、何もしてないけど…よく寝たのかも」

嘘をついた。よく寝てないし、スキンケアも変えていない。

バレるわけがないのに、動揺した。昨日のことが顔に出ているみたいで、急に恥ずかしくなった。

でも同時に、少しだけ嬉しかった。

自分だけの思い込みじゃなかった。他の人にもわかるくらい、何かが変わっていたんだ。

お弁当の卵焼きを口に運びながら、昨日のことを思い出す。

セラピストさんの手が背中に触れたときの、あの体温。

力が強すぎず弱すぎず、ゆっくりゆっくり撫でてくれた。私の身体の力が抜けていくのが自分でもわかった。

あのとき私の身体は、たぶんずっと固まっていたんだと思う。

何ヶ月も、何年も。誰にも触れられないまま、ずっと身体中に力を入れて生きていた。

それが一回で全部ほぐれるわけじゃない。でも、ほんの少しだけ、ゆるんだ。

そのほんの少しが、肌に出た。

帰り道、ドラッグストアの前で

仕事帰り、駅前のドラッグストアに寄った。

いつもは安い化粧水をまとめ買いするだけなのに、今日はなぜか美容液のコーナーの前で足が止まった。

3,000円の美容液。普段の私なら絶対に買わない。「もったいない」「どうせ私の肌にそんないいもの使っても」と思って通り過ぎる。

でも今日は、手に取ってしまった。

蓋を開けてテスターを手の甲につける。すうっと伸びて、しっとりする。

自分の肌に、お金をかけていいのかもしれない。

ふとそう思った。

昨日、自分の心にお金をかけた。セラピストさんに会うために、けっこうな金額を払った。それでも後悔はしていない。むしろ今朝の鏡を見て、あの時間は無駄じゃなかったと思えた。

心にお金をかけていいなら、肌にもお金をかけていいんじゃないか。

結局その美容液は買わなかった。給料日前だし。でも「買ってもいいかも」と思えたこと自体が、小さな変化だった。

自分に何かをしてあげたいと思えること。それが昨日の前と後で、確かに変わったこと。

帰りの電車で、スマホを開いた。

女性用風俗の口コミサイトをまた見ている自分がいた。今度は「初めて」じゃなくて「2回目」で検索してしまった。

2回目を予約するかどうか、まだ決められない

依存とか、そういう言葉が頭をよぎる。一回行っただけで「また行きたい」と思ってしまう自分が怖い。

でも、今朝の肌の調子を思い出す。あの鏡に映った自分の顔を。

心と身体はつながっている。

ずっとどこかで知っていたけど、自分の身体で実感したのは初めてだった。

次の日記は、2回目を予約するかどうかで揺れている話

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