出張ホスト、マッチングアプリ、女風。全部「寂しさの解決策」なのに全然違う

出張ホスト、マッチングアプリ、女風。全部「寂しさの解決策」なのに全然違う

日曜の午後、スマホのホーム画面にマッチングアプリ、出張ホストの検索履歴、女性用風俗のサイトが並んでいた。全部「寂しい」から始まったのに、中身は全然違う。

恋愛、疑似恋愛、身体の癒し。3つを比べてわかったのは、いちばん正直な選択肢が、いちばん人に言えないものだということだった。

目次

スマホに並んだ3つのアプリ、全部「寂しい」が入口だった

日曜の午後、ソファに横になってスマホを眺めていたら、ホーム画面に並んでいるアプリが目に入った。

マッチングアプリ。もう3ヶ月くらいログインしていない。通知バッジだけが溜まっている。

その隣に、出張ホストの検索履歴が残ったブラウザ。そしてもう一つのタブには女性用風俗のサイト。

3つとも、開いた理由は同じだ。寂しかったから。誰かに会いたかったから。

なのに中身は全然違う。そのことに気づいてから、ずっと頭の中がぐるぐるしている。

マッチングアプリは「選ばれる側」だった

マッチングアプリを入れたのは去年の秋だった。

職場の後輩が「彼氏できたんです、アプリで」と嬉しそうに話していて、私もやってみようかなと思ったのがきっかけ。

プロフィール写真を何枚も撮り直して、自己紹介文を何回も書き直して、ようやく登録ボタンを押す。

最初の1週間は「いいね」がいくつか来て、少しだけ浮かれた。

でもメッセージのやりとりが続かない。相手の返信が遅くなって、既読がつかなくなって、そのうちフェードアウト。2人目も3人目も同じパターン。

途中から気づいた。私は「選ばれる」のを待っている側なんだと。

写真を盛って、趣味を明るく書いて、返事は早めに返して。それでも選ばれない。いや、選ばれても続かない。

あのアプリを開くたびに、自分の「市場価値」みたいなものを突きつけられている感覚がした。いいねの数。マッチ率。足跡の減少。

寂しさを埋めたくて始めたのに、もっと寂しくなった。

それでもアンインストールできないのは、「まだ恋愛を諦めていない自分」を手放すのが怖いからだと思う。消してしまったら、もう本当に誰にも出会えない気がして。

ふと、冷蔵庫の中身を思い出した。卵が3つと納豆が1パック。

買い物に行かなきゃいけないのに、出かける気力がない。日曜の午後ってなんでこんなに長いんだろう。

出張ホストを検索した夜のこと

出張ホストのことを知ったのは、女風を調べているときだった。

最初に出張ホストと女風の違いが気になったときのことは前にも書いたけど、あのあと実はもう少し踏み込んで調べていた。

出張ホストのサイトをいくつか見た。男性のプロフィール写真がずらっと並んでいて、身長や体重、趣味、得意なシチュエーションが書いてある。

正直に言うと、最初は女風との違いがよくわからなかった。どっちも「男の人が来てくれるサービス」なんじゃないの、って。

調べるほど見えてきた「目的のズレ」

でも調べていくうちに、なんとなく輪郭が見えてきた。

出張ホストは「疑似恋愛」の色が強い。

食事に行ったり、デートしたり、甘い言葉を言ってくれたりする。

恋人がいる感覚を擬似的に味わえるサービス、という感じ。延長で親密なことになる場合もあるらしい。

レンタル彼氏も似たような方向で、もう少しライトに「彼氏と過ごす時間」を提供してくれるもの。

一方で、女性用風俗は最初から「身体的な癒し」にフォーカスしている。マッサージやトリートメントから始まって、リラクゼーションの延長線上にあるサービス。恋愛のフリはしない。

この違いに気づいたとき、自分がどっちを求めているのか考え込んでしまった。

私が欲しいのは、甘い言葉なんだろうか。それとも、ただ触れてもらうことなんだろうか。

甘い言葉が欲しくないわけじゃない。「可愛いね」とか「一緒にいて楽しい」とか、そういうことを言われたら嬉しいに決まっている。

でもそれが「仕事として」言われていると分かっていて、それを飲み込んで笑う自分を想像したら、胃のあたりがきゅっとなった。

マッチングアプリで感じたのと同じだ。相手のリアクションに一喜一憂して、でもそれが本心かどうかわからなくて消耗する、あの感じ。お金を払ったうえでそれをやるの?

そう思ったら、出張ホストのタブを閉じていた。

女性用風俗だけ「見返り」を求められない

3つを並べてみて、気づいたことがある。

マッチングアプリは「恋愛」が前提だから、相手に好かれる努力が必要になる。

容姿を磨いて、会話を盛り上げて、相性が合うかどうかを探り合う。見返りとして「好かれること」を勝ち取らないといけない。

出張ホストは対価を払うけれど、「恋人っぽい関係」を演じるから、こちらも多少は合わせる必要がある。笑顔を作って、楽しそうにして、向こうの演技に応える。

女風は、なにも返さなくていい。

笑わなくても、楽しませなくても構わない。「ありがとう」の一言すら、言いたければ言えばいいし、言えなければ黙っていても許される。

ただ身体を預けて、触れてもらう。それだけ。

この「なにも返さなくていい」という部分に、私はたぶん一番惹かれている。

疲れているのだと思う。仕事で気を遣って、友達の前でも「大丈夫」と笑って、マッチングアプリでは「感じのいい女」を演じて。もう誰かの期待に応えるのがしんどい。

なのに一人でいると寂しい。矛盾している。

全部「寂しさの解決策」でも解決の仕方が違う

ノートの切れ端に3つを並べて書いてみた。自分でもおかしいと思う、こんなことメモしているなんて。

マッチングアプリ。目的は恋人探し。自分が頑張る必要がある。うまくいけばいちばん幸せ。でもうまくいかないとき、心がすり減る。

出張ホスト。目的は疑似恋愛。お金を払えば確実に会える。でも演技の中にいることを受け入れないといけない。

女性用風俗。目的は身体の癒し。お金を払えば確実に受けられる。恋愛の演技はない。でも「こんなサービスを使う自分」を受け入れないといけない。

どれを選んでも、なにかを飲み込む必要がある。

完璧な答えなんてないんだろうな。そんなこと頭ではわかっている。でも調べれば調べるほど、女風が自分に合っている気がして、その気持ちを認めるのが怖い。

「身体に触れてもらうサービスにお金を払う」という事実は変わらない。

マッチングアプリなら「恋活してるんだ、えらいね」で済むのに。

出張ホストなら「ホストかあ、面白いね」くらいで済むかもしれないのに。女風だけは、誰にも言えない。

寂しさの解決策として、いちばん正直な選択肢が、いちばん人に言えないものだった。

スマホを伏せてソファに寝転がる。天井の隅にある小さな蜘蛛の巣が気になったけど、取る気力もない。

このまま何も決められないまま、また月曜が来るんだろうな。

それでもタブを閉じられなかった

結局、マッチングアプリは今日もログインしなかった。出張ホストのタブは閉じた。

女風のサイトだけ、まだ開いている。

なんでだろう。わからない。わからないけど、閉じられない。

「触れてほしい」のほうが「好かれたい」より先に来る。今の私は、たぶんそういう状態なんだと思う。誰かに選ばれるのを待つ余裕はとっくになくなっている。疑似恋愛で気を遣う元気も残っていない。

ただ、触れてほしい。それだけ。

その本音がいちばん叶いやすいのが女風だということを、頭が受け入れ始めている。心がついてくるかどうかは別として。

明日、仕事行ったら後輩がまた彼氏の話をするかもしれない。

「週末どうでした?」って聞かれたら、「ゆっくりしてた」と答えるんだろう。

ソファで女風と出張ホストとマッチングアプリを比較してた、なんて言えるわけがない。

でも。

この日記だけには書いておく。私はたぶん、もう答えに近いところまで来ている。

次の日記 →「彼氏作ればいいじゃん」って言葉が一番キツい

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