「お金を払って男の人に抱きしめてもらう」私、何考えてるんだろう

「お金を払って男の人に抱きしめてもらう」私、何考えてるんだろう

昨日の夜、SNSで見てしまったあのポスト。一晩経っても頭がざわざわして、朝の電車でも、お昼休みでも、会議中でも、ずっと同じことを考えていた。

「お金を払って人に触れてもらう」その言葉が怖い。

でもそれ以上に、「いいな」と思ってしまった自分が怖い。

目次

電車の中で、昨日の夜のことを思い出してしまった

朝の満員電車で、つり革を握りながらぼんやりしていた。

昨日の夜、布団の中で見てしまったあのポスト。あの深夜のことは前にも書いたけど、一晩経っても頭の中がざわざわしている。寝たのか寝てないのかもよくわからない。鏡で見た自分の顔がいつもより老けて見えて、コンシーラーを二度塗りして家を出た。

「お金を払って、知らない男の人に抱きしめてもらう」

その言葉が、電車の揺れに合わせて何度もリフレインする。

隣のサラリーマンがスマホでニュースを読んでいる。向かいのおばさんはうとうとしている。みんな普通の朝を送っている。こんなこと考えてるのは、この車両で私だけだ。

たぶん、この世界で、この瞬間。

「いいな」と思ってしまった自分が許せない

あのポストを書いていた女の人は、利用した感想をすごく丁寧に書いていた。

「久しぶりに人の体温を感じて、帰り道にコンビニのおにぎりがすごくおいしかった」って。

なんだろう、あの一文がずっと引っかかっている。嘘っぽくなかった。むしろすごく正直な言葉に見えて、読んだ瞬間に胸のあたりがきゅっとなった。

問題は、そのあとだ。

私、「いいな」って思ってしまった。

ほんの一瞬。ほんの0.5秒くらい。でも確かに、あのとき私の中に「いいな」がよぎっている。

その0.5秒が、今朝になっても消えない。消えないどころか、じわじわ広がっている。25歳にもなって、お金を払って人に触れてもらいたいだなんて。情けなくて、会社のエレベーターで自分の靴先ばかり見ていた。

お昼休みに、またスマホに手が伸びる

午前中はなんとかやり過ごした。

先週の報告資料をまとめて、メールを何通か返して、コピー機の紙を補充して。普通の仕事をしている普通のOL。そのはずなのに、デスクの引き出しに入れたスマホの存在感がやたらと大きい。

お昼休みにお弁当を食べながら、何気ないふりでスマホを開いた。

Xのアイコンに指が伸びる。昨日のポストをもう一回見ようとしている自分がいる。

やめなよ。

そう思ってアプリを閉じた。閉じたのに、3分後にまた開いていた。結局そのポストは見つけられなくて、タイムラインをスクロールしている間に昼休みが終わった。

見つからなかったことにほっとしている自分と、がっかりしている自分が同時にいる。どっちが本当の私なのか、わからない。

午後の会議で上司の話が全然入ってこなかった

14時からの定例会議。上司が来期の方針について話している。

手元にノートを開いて、ちゃんとメモを取っているふりをした。でも頭の中はずっと別のことを考えていた。

お金を払って抱きしめてもらうって、どういうことなんだろう。

どんな場所で。どんな人が。どんなふうに。

ノートに書かれているのは、上司の言葉じゃなくて、意味のない線の落書きだった。

こんなの初めてだ。仕事中にこんなに集中できないなんて。しかもその理由が、誰にも絶対に言えないやつ。

同期に「今日ぼーっとしてたね」って言われて、「ちょっと寝不足で」と笑ってごまかした。嘘はついてない。寝不足なのは本当だから。

帰りの電車で、こっそり検索してしまった

帰りの電車は、朝よりも空いていた。

端の席に座って、スマホを取り出す。画面の明るさを最低にする。周りの人の視線が怖い。誰も私のスマホなんか見てないのに。

検索バーに「女性用風俗」と打ち込んだ。

指が少し震えていたと思う。変換候補に「女性用風俗 恥ずかしい」と出てきて、同じこと思ってる人がいるんだと、少しだけ息がゆるんだ。

検索結果を開いて、すぐに閉じた。閉じたのに、次の駅に着く前にまた開いていた。

思っていたのとは、少し違った

出てきたサイトのいくつかは、思ったよりちゃんとした雰囲気だった。

「女性専用」「カウンセリングシート」「完全個室」

そういう言葉が並んでいて、私が頭の中で想像していたものとは違うような気がした。

施術する人のことを「セラピスト」と呼ぶらしいということも知った。風俗、という言葉から連想するものとは、なんだか温度が違う。

でも、だからって、それが何だって言うんだろう。

お金を払って人に触れてもらう。この事実は変わらない。

普通の人は恋人がいて、普通にハグしたり手をつないだりしている。それが当たり前の世界で、私だけがお金を出さないと誰にも触れてもらえない。

そう思ったら、電車の窓に映った自分の顔が、すごくみじめに見えた。

検索履歴を消して、スマホを裏返しにして寝た

お風呂に入りながら、また考えてしまった。

シャワーの音だけが響く狭いバスルームで、自分の腕を自分で抱きしめてみた。

当たり前だけど、全然あったかくない。自分の体温なんて、自分では感じられないんだ。

ふと、学生のときに飼っていた猫のことを思い出した。冬になると布団に潜り込んできて、お腹のあたりで丸くなっていたあの子。

あのとき私は毎晩、何も考えなくても温かかった。そんなことを思い出すくらい、今の自分は冷えているのかもしれない。

布団に入ってから、また少しだけ検索した。

料金のこと。実際の流れのこと。危なくないのかっていうこと。全部途中まで読んで、全部途中で閉じた。最後まで読む勇気がなかった。

検索履歴を全部消した。消してから、念のためもう一回確認した。消し忘れがないかどうか。一人暮らしなのに。誰に見られるわけでもないのに。

「興味がある」って認めるのが、一番怖い

もし誰かに「寂しいの?」って聞かれたら、まだ笑ってごまかせる。

「うん、ちょっとね」って。

でも「女性用風俗に興味があるの?」って聞かれたら。

無理だ。顔から火が出る。

寂しいのと、こういうサービスに興味を持つのは、全然違う気がする。寂しいのは誰にだってある。

でも、お金を払って男の人に触れてもらおうとしてるのは、たぶん普通じゃない。少なくとも私の周りにそんな人はいない。

いたとしても、絶対に言わないだろうけど。

私は今、「興味がある」と自分で認めることから必死に逃げている。認めたら最後、もう元には戻れないような気がするから。

でも、興味がないなら、こんなに検索しないし、こんなに検索履歴を消さない。

情けない。本当に情けない。でも、気持ちに嘘はつけなかった。

スマホを裏返しにして、布団を頭までかぶった。明日の私がどうするかは、まだわからない。

次の日記へ →出張ホストと女性用風俗って何が違うの?

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